1.個人のタックスリターン

米国タックスシーズン

個人のタックスリターンは2月から4月15日までに行わなければなりません。
1月15日からIRSの電子申告受付が始まりますが、各書類が送付されてくるのに1月末までかかるのが一般的です。


タックスリターンの必要な人

一般的に、所得収入が所得控除と人的控除の合計金額を超える方はタックスリターンをする必要があります。
所得収入が控除金額以下で、所得税を源泉徴収で払っている方は、税金の払い戻しを受けられる可能性があります。
なお、自営業者の方で$400以上の収入のある方は控除後の金額に関わらずタックスリターンが必要になります。


2.タックスリターンに必要な書類

タックスリターンに必要な代表的なのは下記の書類です。
また、前年タックスリターンをされていましたら、そのコピーをお持ちください。

<収入に関して>

給与源泉徴収票・W-2、銀行などの利子・1099-Int、給与以外の労働及びその他・1099-Misc、株式配当・1099-Div、失業保険・1099-G、社会保障年金(ソーシャルセキュリティー)、ギャンブル・W-2G、キャピタル・ゲイン又はロス(株式・不動産など)、不動産レンタル、特許、慰謝料、年金引き出し・1099-R、パートナーシップ・K-1、個人事業、農業、日本の年金、その他収入の記録。


<支出に関して>

家のローンの利子・1098、ギャンブル損失など標準控除より有利な項目別控除の適用を受ける場合、“領収書をまとめておく”こと。DMV(自動車登録)、チャイルドケアー、医療費、固定資産税、50マイル以上の引越し代、IRSの定める病院・学校・教会・寺院・十字軍・赤十字・図書館などの非営利団体への寄付、短大以上の教育費、前年のタックスリターンの支払い、投資関連、病院代、事業や慈善事業関係(マイレージ記録含む)、養子縁組、大きな買い物のセールスタックスその他支出記録。


3.課税対象となる収入

サラリーマンの収入

給料、コミッション、ボーナス、住居補助、解雇手当、雇用主から受け取ったシックペイ、チップ


利子収入

金融機関から送られたフォーム1099-INTに基づき申告します。


配当、キャピタルゲイン収入

配当をもらった会社もしくは投資会社から送られたフォーム1099-DIVに基づき申告します。


家賃収入

家賃収入-経費を申告します。


ソーシャルセキュリティー

一般的には課税対象ではありませんが、下記に当てはまる場合のみ課税の対象となります。
課税対象は、受け取ったソーシャルセキュリティーの85%になります。

ソーシャルセキュリティー受領金額の半額+その他の収入の合計が下記の金額の場合に最大85%課税されます。
  1.シングル、未亡人、特別世帯主、夫婦別算 $25,000以上
  2.夫婦合算 $32,000以上


借金の棒引き

金融機関の場合はフォーム1099Cが発行されます。


ギャンブルの収入



教育費目的以外に使ったスカラーシップ



失業保険



4.所得控除

所得税は所得収入に課税されますが、全ての所得収入に課税されるわけではありません。
ある一定の金額は課税対象からはずされます。この課税されない収入が所得控除です。
所得控除には定額控除(Standard Deduction)と、項目別控除(Itemized Deduction)の2種類あります。
この内、どちらか控除額の大きいほうを取り、所得収入から差し引きます。
また、この他に国民一人一人に一定金額の人的控除が与えられ、納税者と扶養家族の人数分の控除を受けられます。
定額控除と項目別控除のいずれか一方と、人的控除を所得収入から差し引いた金額が課税対象になります。

定額控除(Standard Deduction)

その年によって変動します。


項目別控除(Itemized Deduction)

項目別控除例。下記の合計が上記の定額控除を超える場合のみ有効です。

  寄付、医療費、ギャンブルロス、サラリーマンのビジネス経費、プロパティータックスなどの税金、
  モーゲージローンなどの利子、災害、犯罪などに巻き込まれた場合の損失
  ※ほとんどの場合モーゲージローンを持っていないと定額控除のほうが有利です。


人的控除(Personal Exemption)

納税者とその扶養家族一人につき$3,900の控除

  例)もしあなたが独身で年収が5万ドルの場合、課税される対象となる所得は下記の通りとなります。(定額控除$6100の場合)
  $50,000-人的控除$3,900-定額控除$6,100=$40,000となります。
  もし、$10,000のモゲージローンの利子を払っている場合は項目別控除($10,000)が定額控除($6,100)を上回るため、下記の様に変わります。
  $50,000-人的控除$3,900-項目別控除$10,000=$36,100が課税対象となり節税効果があります。


その他の所得控除

当てはまる人のみ控除が可能です。

1、IRA(Individual Retirement Arrangement)
Traditional IRAへの年間の拠出額のうち、一人最大$5,500(50才以上70 1/2歳未満の場合は最大$6,500)までが控除として認められます。
401Kなどの退職年金プランに加入している場合はIRAの控除対象金額は減少します。
 
2、Moving Expense(引越し費用)
交通費、宿泊費、荷物の輸送代などの引越し費用が控除可能です。
全ての引越し費用が控除可能なわけではなく、まず仕事に関係した引越しであること、そして2つの条件を満たしていなければなりません。

  1.距離 :新しい職場が現在の職場への距離プラス50マイル以上であること。
  2.時間 :12ヶ月のうち39週以上働く(予定である)こと。

3、Student Loan Interest Deduction
本人、配偶者、扶養家族のための高等教育、専門学校などの授業料、寮費、食費、その他教育関連費用のための教育ローンの利子が対象となります。

4、Tuition and Fees Deduction
本人、配偶者、扶養家族のための高等教育、専門学校などの授業料が最大4,000ドルまで控除が可能です。
Married Filing Separately(夫婦別申告)の場合は控除を申請できません。
また、同じく教育費の節税対策であるHope CreditやLifetime Learning Creditとあわせて申請することはできません。


5.医療費控除

医療費控除について

1月1日から12月31日の間に払った医療費について、課税対象として除く控除が受けられます。
以下が医療費控除を受けるための条件です。

1.年収(Annual Gross Income)の10%(65歳以上は7.5%)以上払った医療費。
例えば年収が5万ドルの場合で医療費の支払いが$6,000だった場合、$6,000から対象外の$50,000X0.1=$5,000を引いた$1,000のみが控除の対象となります。
また、項目別控除とし扱うので、定額控除より多い場合いに対象になります。そのため、主に大きな病気にかかり、高額な医療費が発生した場合のみ考えられます。

2.本人もしくは扶養家族の医療費であること。
バリアフリーなど理由で自宅をリフォームしたコストは控除対象となります。

3.保険
医療目的のために払った保険料は医療費控除の対象となります。ただし以下の保険は除きます。
会社が払う健康保険、メディケア、生命保険、所得、入院時給付金、車両、手足目などからだのパーツに関する保険料、メディカルセービングアカウント(Archer MSA)

4.宿泊およびトランスポーテーション
医療目的の宿泊、および移動は医療費控除の対象となります。
宿泊の条件は一人1泊$50です。車を使う場合はガソリン代の実費もしくは24セント/マイルで計算します。

5.その他の控除対象となる医療費
合法的な堕胎、カイロ、はり、アルコール、ドラッグ更生プログラム、救急車、義手、義足、車椅子、歯の治療、盲導犬、不妊治療、レーシック、入れ歯、めがね、コンタクトレンズ、医師の処方による禁煙プログラム、精神治療、カツラ、X線

6.医療費控除の対象とならないもの
ベビーシッター、外国の処方箋による薬、ビタミン剤、美容整形、増毛、歯のホワイトニング、葬儀代、アスレチックジム、妊婦服、家族の介護、法律に反した治療、薬


6.養育費控除

所得控除後の金額から差し引かれる、節税効果の高いクレジットです。

チャイルドタックスクレジット

17才未満の子供一人につき$1,000のクレジット受け取ります。所得収入によってその金額は減額されます。


チャイルドケアクレジット

両親が共働きで13才未満の子供を託児施設に預けなければならない場合、託児施設に支払った金額(一人の場合は最高$3,000、二人以上だと最高$6,000)の最大35%(収入によります)のクレジットを受け取ります。


エデュケーションクレジット

大学、専門学校等の高等教育に支払った教育費用をクレジットで受け取ります。年収制限あり、Tuition and Fees Deductionといっしょにクレームすることはできません。また、スカラーシップ、グラントで受け取った金額は相殺されます。


ホープクレジット

就学2年間で合計最大$1,800をクレジットで受け取ります。


アメリカンオポチュニティークレジット

上記ホープクレジットの時限改訂版。就学4年間で最大$2,500のクレジットを受け取ります。


ライフタイムラーニングクレジット

教育費用のうち最大$2,000をクレジットで受け取ります。上の二つと違い年数制限はありません。


7.寄付について

政府が認めた団体に対する寄付は収入から控除することができます。ただし、寄付の控除は項目別控除として扱うので、寄付の金額が定額控除より多い場合に対象となります。寄付をした場合、各団体が発行したレシートが必要です。高額寄付の場合は控除可能な金額は最大年収の50%までの制限があります。

控除可能な寄付

教会、連邦、州、地方政府、NPO、学校、病院、公共の公園(入場料は不可)、サルベーションアーミー、赤十字、グッドウィル、ユナイテッドウェイ、ボーイ・ガールスカウト、ボーイズアンドガールズクラブ、退役軍人会、指定団体がスポンサーの学生の面倒を見た場合の生活費、指定団体でボランティアをした場合の自腹で払った経費、カナダ、イスラエル、メキシコの慈善団体


8.社会保障への課税(ソーシャルセキュリティー)

受け取ったソーシャルセキュリティーベネフィットの金額が以下の計算式に当てはまる場合は、受領金額の最大85%が課税対象に含まれます。
ソーシャルセキュリティー受領金額の半額+その他の収入が以下の金額以上の場合

  1.シングル、ヘッドオブハウスホールド、未亡人の場合$25,000以上。
  2・ジョイントの場合$32,000以上。
  ※セパレートリターンの場合は制限がなく課税対象となります。

  例)夫のソーシャルセキュリティーベネフィットが$7,500、妻のベネフィットが$3,500、妻のパート収入が$15,000、利子収入が$3,000の場合、
  ($7,500+$3,500)÷2=$5,500+$15,000+$3,000=$23,500
  計算した金額が$32,000未満になるので、ソーシャルセキュリティーベネフィットは課税対象にはなりません。
  もし仮にその他の収入とあわせて$32,000を超えた場合は、受領金額の最大85%が課税対象となります。

9.個人事業主のタックスリターン

個人事業での所得が$400以上の個人事業主は、個人所得の課税対象金額がない場合でも、タックスリターンが必要になります。
個人事業の収入を報告するスケジュールCを作成し、個人のタックスリターンと併せて申告をします。
個人事業主に課せられる税金は所得税とセルフエンプロイメントタックス(SE TAX:給与所得者のソーシャルセキュリティー、メディケアタックスに相当)の2つです。

1.セルフエンプロイメントタックス(SE TAX)
給与所得者のソーシャルセキュリティー、メディケアタックスと同率の15.30%が税率です。自営業者の場合は支払ったセルフエンプロイメントタックスの半額を所得から控除することができます。

2.ビジネス経費
個人事業で支払った広告費、ガソリン代、食費などはビジネス経費として売り上げから控除することができます。以下が主なビジネス経費の具体的な扱い方です。

自宅のビジネス占有分

  自宅でビジネスを行う場合、家賃やローンの一部をビジネス占有率に応じて控除することができます。ただしこの場合はその部屋をビジネス目的以外
  (例えばリビングとしても使う)で使用している場合は経費としては認められません。

3.保険
本人の健康保険、各種ビジネス目的の保険は控除することができます

4、タックス
ビジネスに対するステート、ローカルタックス、エンプロイメントタックス、ビジネス使用分のパーソナルプロパティータックス等控除することができます。

5.利子
ビジネス目的の借金の利子は控除することができます。

6.商用車
ビジネス目的で使用した車の経費を控除することができます。